賃貸経営を考えるアナタへ!銀行の融資はこうなっています
住宅を誰かに貸して、その家賃で収入を得ようという場合、自己資金で全てを賄うのはそう簡単なことではありません。土地と建物が既にあったとしても、建物の維持管理、営繕修理として月々かかってくる経費の他に、新規入居の度のリフォームや、老朽化による建て替えなど、かなりまとまったお金も必要となってきます。住宅にかかるお金は自宅であってもなんやかやと出て行くものですから、これが賃貸住宅数件分となれば、かなりの出費になってくるでしょう。
このような人向けに、銀行などの金融機関はアパートローンを用意しています。同じ住宅であっても、そこに自分たちが住むための住宅とは異なり、アパート経営は事業や投資であるという性質があるため、ローンの形もかなり違ってくるのです。お金を稼ぐ目的で借りるローンである以上は、その審査内容にも、当然ながら違いがあります。
住宅ローンにおいては、主に契約者の年収など個人の属性が審査の対象となっています。しかし、アパート経営においては、その建物や立地そのものの価値も大きな評価の対象となります。あまり借り手の居なさそうな場所に建っていたり、高い家賃収入が望めないような住宅であった場合は、融資がおりない可能性もあります。逆に、これならば安定して高額の家賃収入が見込めると判断されれば、例えば自己資金が不足気味であっても、審査には通る場合もあるのです。
例えば10室あるアパートで賃貸経営に乗り出すとして、そこが常に満室になっている場合と、数件しか入居がない場合とではその収益にもかなりの差が出て来ると考えられます。満室でも数室でもランニングコストはほぼ同じですので、アパートの経営状態によっては赤字が続いてしまい、ローンの返済が難しくなってくる危険性もないとは言えません。融資の審査では、その点についても判断している訳です。立地がよければ、建て替えによってはぐんと評価が上がる可能性もあります。また家族向け住宅がいいのか、独身者向けのワンルームの方が需要があるのか、そのような賃貸住宅物件としての価値の底上げについても、大家さんとしては事業家の目線で検討する必要があるのです。
アパートローンも、他の事業への融資と同様、様々な金融機関に用意されています。都市銀行、地方銀行、信用組合など、そして政府系銀行、自治体の融資制度やノンバンクの利用も可能です。利子で考えれば、やはり銀行、特に政府系は有利だと言えます。無担保の小口融資の場合と同様に、融資枠の大きいアパートローンであっても、やはりノンバンクは金利は高いけれども審査に通りやすいという特徴があります。
いくら審査に通りやすいといっても、このような融資枠の大きなローンは、一度借入れてしまうと数十年に渡って返済していくのが普通です。その金利の差はアパート経営にも大きな影響が出てくると考えられるので、簡単に決断をしない方がいいことは確かです。ただし、このローンも借り換えができますので、落ち着いてから検討をしなおすことも出来ない訳ではありません。しかしやはり、アパート経営も事業としての評価を受けているのだと考えれば、最初から、どこの融資にでも通るような計画を立てようという発想で臨むべきだと言えるでしょう。